Media Release
~ 岡山県笠岡市に国内最大規模となる 150MW / 600MWh の蓄電所を建設 ~
世界的に蓄電所ビジネスを展開するEku Energyの日本法人である日本蓄電株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:小野 健太郎、以下「当社」)は、電力広域的運営推進機関(以下「OCCTO」)が実施する2024年度 長期脱炭素電源オークションに応札し、「絵師蓄電所」を落札いたしました。絵師蓄電所は150MW / 600MWhのスタンドアローン型の系統用蓄電所です。長期脱炭素電源オークションでは、20年間におよぶ長期の固定容量支払い契約となり、想定可能な収益が見込めます。
絵師蓄電所は、当社にとって国内で2件目となるプロジェクトであり、宮崎県で開発中の30MW / 120MWhの「広原蓄電所」に続くものです。岡山県笠岡市絵師に位置し、定格出力150MW、定格容量600MWhを備えた、国内最大規模の系統用蓄電所となる予定です。稼働開始は遅くとも2030年までを予定しています。当該蓄電所は、約337,000世帯(岡山県の総世帯数*1の約1/3)の4時間分の電力使用量に相当する電力*2を蓄電可能です。稼働開始後は、需給バランスの調整、電力価格の変動抑制、電力系統の安定化に貢献します。
経済産業省の調査*3によると、AIを始めとしたデジタルサービスへのニーズ拡大の影響で、2024年には8,059億kWhだった全国需要電力量は2034年には8,524億kWhと約6%増加する見込みです。再生可能エネルギーの導入拡大が求められる中、蓄電所の需要は今後さらに高まることが予想されます。
長期脱炭素電源オークションは、日本のエネルギー転換を加速させる新たな事業投資を促す仕組みとして、Eku Energyの絵師蓄電所に限らず、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという日本の目標にとっても重要なマイルストーンとなります。落札者であるEku Energyは、OCCTOから蓄電所の建設初期費用および複数年にわたる電力供給の運転費用の一部について支援を受けることになります。
EkuEnergyのCEO ダニエル・バローズ(Daniel Burrows)は次のように述べています。
絵師蓄電所が長期脱炭素電源オークションにおいて落札されたことは、日本およびグローバルのポートフォリオに、高品質で長期的な契約収益をさらに加えるものとなります。当社としては、長期脱炭素電源オークションに採択された初の案件であり、当社の収益構成の多様化にもつながっています。また、絵師蓄電所は、コスト効率の高いクリーンエネルギーを提供する、安全、安心、信頼性の高いエネルギー貯蔵ソリューションを通じてエネルギー転換を加速するという、当社の使命に沿った最新のプロジェクトであることを誇りに思います。
同社の代表取締役、小野 健太郎は、次のように述べています。
絵師蓄電所は、地域の関係者やコミュニティとの連携、協力を重視する当社のアプローチを体現するプロジェクトです。当該蓄電所は、日本国内で発表されている蓄電池システムとして最大級の規模を誇ります。今回の落札は、当社がプロジェクトの開発、投資、建設、運用エンジニアリングまで、蓄電システムのライフサイクル全体にわたる幅広い専門性を有していることを示すものになります。
絵師蓄電所の詳細については、こちらをご覧ください。
Eku Energyが本案件を受注できたことは、エネルギー貯蔵資産の多様なポートフォリオを世界規模で構築、運用するという、当社の包括的な戦略と一致しています。当社は、エネルギー転換を加速し、地域社会に持続可能な価値を提供するプロジェクトの実現に向け、今後も関係省庁、事業者、地域コミュニティとの協働を積極的に進めています。2025年2月には、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州グリフィス地方自治体区域(GriffithLGA)のユガリ(Yoogali)において、100MW/800MWhの蓄電池システム(BESS)が「長時間蓄電、長期エネルギーサービス契約(LDSLTESA)」の対象としてオーストラリア・エナジー・マーケット・オペレーター・サービス(AEMO Services)より選定されました。Eku Energyは、蓄電所専業企業として、現在世界で7件のプロジェクトを建設・運用しています。
*1 出典:岡山県(https://www.pref.okayama.jp/page/detail-13899.html)
*2 世帯が1日に消費する電力は、10.7kWhとして算定。
(出典:環境省令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 結果についてより)
*3 出典:資源エネルギー庁 今後の電力需要の見通しについてより